職員の読書日記 職員の読書日記

このページでは、職員の読書日記を紹介いたします。
発達協会の職員である私たちが、出会った本の感想などを紹介するページです。


第11回
「ADHDのある子を理解して育てる本」
田中康雄 監修/学研プラス/定価 本体1500円+税

公益社団法人発達協会 療育部 小池瞳(言語聴覚士)

療育で担当する子どもの親御さんとの話の中で、「忘れ物や失くしものが多い」「片付けができない」「ゲームをやめられない」など子育てにおける困りごとについてお話をする機会があります。これら子どもの困った行動について、具体的なアプローチ方法を知りたいと思った時に出会ったのが本書です。

冒頭はADHDの子どもによくあるエピソードが書かれています。実際のエピソードの中で、具体的な対応策も書かれているのが本書の特徴です。また、どうしてそういった行動になりやすいのかということを子どもの気持ちに言及しつつ書かれているので、子どもへの理解も深まります。

続いて、生活場面をふまえた関わり方のポイントについて書かれています。荷物の準備の方法や宿題をどう取り組んでいくべきか、時間をどう守らせていくか等、園や学校場面で問題になりやすい点についてわかりやすくまとめられています。療育の中でも声掛けや環境を工夫することで子どもたちに大きな変化が見られます。始めは丁寧に教え、徐々に子どもたちに任せていくことが成功のカギだと私自身も思っています。

後半は支援の受け方や年齢ごとに生じやすい問題点にどう対処すべきなのかということが書かれています。子どもの成長とともに問題は複雑になってきますが、その悩みに適切なアプローチをすることで確実に子どもは成長していくと本書には書かれています。

ADHDの特性をプラスにして生かす関わりの重要性を改めて感じた1冊です。




第1回 「子どもの集中力を育てる」齋藤孝 著

第2回 「自閉症の子どもと家族の幸せプロジェクト ―お父さんもがんばる!「そらまめ式」自閉症療育」藤居学 著

第3回 「皮膚感覚の不思議」 山口 創 著

第4回 「子どもの理解と援助のために 感覚統合Q&A」 佐藤 剛 監修/永井洋一・浜田昌義 編集

第5回 「脳からわかる発達障害−子どもたちの「生きづらさ」を理解するために」 鳥居深雪 著

第6回 「自閉症の社会学」 竹中 均 著

第7回 「ピーティ」 ベン・マイケルセン 著

第8回 「発達障害の子の感覚遊び・運動遊び」 木村 順 著

第9回 「発達障害のある子を理解して育てる本」 田中哲・藤原美里 著  監修/学研プラス

第10回「発達障害の子に「ちゃんと伝わる」言葉がけ―日常生活の「できる」を増やす伝え方のルール」佐々木正美 著

第11回「ADHDのある子を理解して育てる本」 田中康雄 監修