第17回
「発達障害の子の『イライラ』コントロール術」
監修:有光興記/発行元:講談社 健康ライブラリー/定価 本体1,300円+税
公益社団法人 発達協会 王子クリニック 鈴木さやか (言語聴覚士)
『イライラ』した時、みなさんはどう対処していますか?筆者は体を動かすのが好きなので、自分の好きな運動を思いっきりやってみたり、趣味に没頭したり、家族や友人に話を聞いてもらったり…。その対処の仕方は、人によって様々だと思います。『イライラ』は周囲の人にも伝わってしまいますし、気持ちのよいものではありませんが、誰でも『イライラ』します。『イライラ』しない人なんて、世の中にはいないでしょう。
発達障害を持つ子どもたちは、独特なものの捉え方をしていたり、感覚に過敏がある等、大人が思っているより『イライラ』せざるを得ない状況が多いのかもしれません。大きな声を出したから、物に当たったから、人を叩いたから…といったマイナス行動が気になり「我慢しなさい!」と言い聞かせるだけの対処法になってしまうことはないでしょうか?もちろん、してはいけないことをしてしまったら、正しいルールを伝えることは必要です。しかし、「我慢!」でそのときには怒りが収まったとしても、『イライラ』を押さえ込むだけでは、『イライラ』を自分でコントロールするのは難しいでしょう。
本書では、『イライラ』を上手くコントロールできるように導くポイントが、分かりやすく解説されています。『イライラ』を押さえ込むのではなく、まずは子どもの気持ちをよく聞き、何に『イライラ』しているのかを知ることからスタート。親子で一緒に考え、『イライラ』への具体的な対処法へとつなげていくよう記されています。気持ちのコントロールが苦手な子をもつ親御さん、その他、発達障害を持つ子どもたちと関わる方にもおすすめしたい1冊です。
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