職員の読書日記 職員の読書日記

このページでは、職員の読書日記を紹介いたします。
発達協会の職員である私たちが、出会った本の感想などを紹介するページです。


第23回

「発達障害の人の「就労支援」がわかる本」

監修:梅永雄二/発行元:講談社 健康ライブラリー/定価 本体1,300円+税


公益社団法人 発達協会 王子クリニック 山下征己 (言語聴覚士)

最近、「大人の発達障害」という言葉をテレビや新聞などで目にすることが多くなってきました。発達障害によって何かしらの働きづらさを感じている「大人の発達障害」の方々が、どのように就労し、社会に出ていくのか、図や表を使ってわかりやすくまとめられた本を紹介します。

そもそも発達障害の方がなぜ働きづらさを感じるのでしょうか。発達障害の方は機械を使ったり、専門知識を駆使したりといった、仕事そのものを遂行する技術である「ハードスキル」よりも、社会人として生活するためのコミュニケーション能力やスケジュール管理をする「ソフトスキル」の不足が指摘されています。この要因として、発達障害の特性である対人関係の苦手さや不注意、感覚過敏が挙げられています。これらの要因に対して、「適職を見つけること」「環境調整で職場定着を促すこと」「仕事を支える生活も大切にすること」の3つの就労支援で、働きづらさを解消していく方法が詳しく解説されています。

近年、地域障害者職業センターといった公的機関に加えて、民間の就労移行支援事業所が増えており、就労支援を受けやすい環境になってきています。学校に通っている子どもの期間よりも、仕事をする大人の期間の方が圧倒的に長くなります。適職に就き、充実した大人の期間を送るためにも、就労支援がどのようなものであるか知り、活用できると良いと思います。ぜひ読んでみてください。




職員の読書日記一覧のページへ