職員の読書日記 職員の読書日記

このページでは、職員の読書日記を紹介いたします。
発達協会の職員である私たちが、出会った本の感想などを紹介するページです。


第22回

「イラスト図解 発達障害の子どもの心と行動がわかる本」

田中康雄/監修 発行元:西東社/定価:1,500円+税


公益社団法人発達協会 療育部 鷲山杏奈(言語聴覚士)

いま、目の前にいる“発達障害の可能性がある”、もしくは“発達障害の特性がある(かもしれない)”子どもの心と行動の意味を理解したい、少しでも近づきたい…と思うことはありませんか?そんな、困っている人の手助けになればという著者の願いがまとめられた一冊を紹介します。

著者は、こころとそだちのクリニックむすびめで院長をされている児童精神科医の田中康雄先生で、発達障害の研究及び治療のエキスパートです。

そもそも、“発達障害とはなにか?”という疑問から本が始まります。田中先生は、「発達障害とは、個々の歩みの中で、生活に困難をきたす場合に名付けられるもの。必要なことは、治療というよりも“生活環境の調整や工夫”」と、述べています。本書では、個々の発達の歩みと特性が理解できるように、“気になるサイン”というポイントから、関連する特性の説明に繋がり話が進められていきます。自身が関わっている子どもたちに当てはめて読み進めていくことができるので、とても分かりやすくなっています。

また、ご家庭や教育機関での支援・工夫、就労に向けた支援についても書かれているため、将来を見据えながら、これからの支援・生活の流れを把握することができます。

発達障害の特性を、イラストを合わせて分かりやすく説明がされており、全体像もつかみやすくなっています。発達障害を知るきっかけとなる、初めての方にも読みやすい、おすすめの本です。




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