職員の読書日記 職員の読書日記

このページでは、職員の読書日記を紹介いたします。
発達協会の職員である私たちが、出会った本の感想などを紹介するページです。


第25回

【特別支援教育1から始める教科学習 「感じる・考える・伝え合う」授業づくり】

(新井英靖/監修 筑波大学教育学部附属特別支援学校/著 明治図書/出版社 定価:2,200円+税 )


公益社団法人発達協会 療育部 染谷里沙(精神保健福祉士)

筆者が所属する療育室では、「プリント課題」の時間を設けているクラスがあります。“生活の中で活かせる知識や技能を増やす”ということを狙いとして、言葉や概念などの学習を机上で行います。この時間の学習として、筆者は、算数(足し算)につまずきのあるお子さんのプリント課題を作成するために、今回ご紹介する書籍を参考にしました。

本書は、特別支援教育で使える「国語科」「生活科」「音楽科・美術科」「体育科」の授業作りの実践例が多数掲載されています。加えて、「国語科」「算数科」のような認知発達が大きく影響する教科学習には、教科ごとの「発達過程」と「アセスメント(チェックシート)」が示されています。また、アセスメントに対応した実践課題が紹介されているため、今のお子さんに適した課題かどうかを確かめられるという点が魅力です。筆者の実践の中でも、アセスメントで“お子さんに合った課題である”ことを確かめていたので、自信を持って教えることができました。またお子さんも、筆者と行う「足し算」には苦手意識を持たず、むしろ前向きに取り組んでくれました。

本書は「授業づくり」についての書籍でありますから、もちろん複数人対象の授業の展開例、教材や授業づくりの工夫、板書例、教室の配置図などが具体的に載っています。本書のことばでもありますが、まずは型を知り、「真似するところ」から、本書を実践にご活用ください。




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