職員の読書日記 職員の読書日記

このページでは、職員の読書日記を紹介いたします。
発達協会の職員である私たちが、出会った本の感想などを紹介するページです。


第33回

「発達の気になる子の学習・運動が楽しくなるビジョントレーニング」

北出勝也/監修 ナツメ社/出版  定価(本体1,600円+税)


公益社団法人 発達協会 王子クリニック  山下征己(言語聴覚士)

読み書きを苦手とする子どもたちは、どんなことに困っているのでしょうか。音読がスムーズにできない、漢字テストで点数が取れないなど、学習場面で「できない」ことが多く、劣等感を抱く子どもも少なくありません。「できない」ことが続くと「できないからやらない」状態になることは想像できます。「できない」「やらない」状態が続くことのないように、何が原因で困っているのか考える必要があります。

読み書きを苦手とする原因として様々な考えがある中で、本著では、「視覚機能」の面に注目しています。視覚機能のスキルアップ=ビジョントレーニングが解説されています。視覚機能を調べるチェックリストがあり、簡単にチェックすることができます。本を読む時に頭を動かして文字を追う、マスに文字が入らない、図形問題が解けないといった困難の原因が視覚機能にあると仮定して、困難さの解決に向けたビジョントレーニングを実施できるように構成されています。おすすめポイントは、「実践!ビジョントレーニング」という章で、具体的なトレーニング方法が32種類も記載されているところです。これにより、ビジョントレーニングに馴染みのない方でも実施することが可能です。

読み書きの苦手さの原因は他にも考えられますが、1つの可能性である「視覚機能」のチェックができる上に、トレーニングまで解説されている盛りだくさんな1冊です。ぜひ読んでみてください。




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